校長講話
2023年04月07日(金)
大掃除・新任式・始業式を行いました
4月6日(木)大掃除・新任式・始業式を行いました。
楠隼生はいつも掃除を一生懸命してくれます。本当に素晴らしいです。
今年度は13人の先生方が新しく楠隼に赴任されました。
中学校の生徒会長である切通正義さんが歓迎のことばを述べました。
歓迎のことばの内容の一部を抜粋します。
『 先日,多くの先生方を送り出し,寂しい気持ちでいっぱいでしたが,本日,先生方の明るい元気なあいさつを聞き,嬉しい気持ちになりました。
楠隼高は,全国にも類のない県立の全寮制中高一貫男子校ですので,本校ならではの経験がたくさんできると思います。中でも,フロア対抗の寮マッチは,中高6学年の生徒が一丸となって盛り上がる行事です。また,著名な方をお招きして話を聞くトップリーダー教室も私が好きな行事です。
新しい環境になり,分からないことや不安な事も多いと思いますが,是非私たちに聞いてください。私たちも先生方から多くのことを学び,これからの学校生活や寮生活を充実させ,勉強やスポーツに励み,成長していきたいと思います。これからどうぞよろしくお願いいたします。』
始業式での校長式辞を紹介します。
『 いよいよ令和5年度が始まりました。昨年の始業式は校内放送による実施でした。私は,放送室の機材を前に話をしながら,何か寂しく物足りない始業式だったことを覚えています。月日が流れるのは早いもので,あれから1年経ちました。今朝は,対面の形で始業式ができること,そしてマスクを外している皆さんが笑顔で友人と談笑している様子を見て,少しずつコロナの制限が緩和されていく状況をうれしく思ったところです。とはいえ,コロナが完全になくなったわけではありませんので,これからも手洗い等の基本的な感染対策は行いながら学校や寮生活を送ってください。
さて,1学期始業式にあたり,皆さんに生活面でお願いしたいことをお話しします。
それは,この1年間,「時を守り,場を清め,礼を正す」ことを意識して生活してほしいということです。この言葉は,哲学者であり教育者である森信三先生の有名な言葉ですので,知っている人もいるかと思います。
「時を守る。」これは時間を守るということです。学校での登校時間だけでなく,寮での食事時間,入浴の時間,点呼の時間など,集団生活を送る上で,一人一人が時間を守ることはとても大切なことです。一方,近い将来,社会に出た際に時間を守れない人は,他人からの信用や信頼を失うことになります。本当は能力はあるのに,また,本当は良い仕事ができるのに,他人からの信頼を得られなければチャンスは巡ってきません。まずは,決められた時間をしっかり守っていきましょう。
次に,「場を清める。」これは清掃・整理整頓をしっかりするということです。昨年度も舎監の先生方の報告に「掃除が不十分」とか「廊下のゴミ箱がゴミであふれている」といった残念な報告が複数回ありました。自分のために,そして楠隼で生活するみんなのために,環境を整える意識,できれば落ちているゴミにも気づき,それをそっと拾ってゴミ箱に捨てることのできる,そういう人が増えればこの楠隼はもっと素晴らしい学校になると思います。メジャーリーグの大谷選手がファーボールで一塁に向かう際にグラウンドに落ちていたゴミをそっと拾い,ユニフォームのポケットに入れるシーンが世界中で賞賛されました。また,先日のWBCで日本チームが使用したベンチが試合後にゴミ一つなくきれいな状態であったことが,アメリカのメディアから賞賛を受けていました。これらの行動は,他人に褒められるためにやっているのではなく,自然とこのような行動ができる人間だからこそ,結果の善し悪しにかかわらず,他人からの賞賛,そして周囲からの信頼を勝ち取ることができるのです。
最後は,「礼を正す。」これは,きちんとした挨拶や受け答えをするということです。私にはこんな経験があります。休みの日にある高校の前の通りを一人で歩いていると,その学校から4,5人の生徒たちが,大きな声でわいわい騒ぎながら,群がって出てきました。私は「ああここの生徒たちかあ。なんか柄が悪そうだし,面倒くさそうだな。早く通り過ぎよう。」と,歩く速度を速めていくと,その高校生たちは通りすがりざま大きな声で「こんにちは。」と挨拶をして,通りを開けてくれました。私はお礼を言いながら通り過ぎた後,「この学校の生徒たちはなんていい生徒たちなんだろう!」とその一瞬でイメージが180度変わりました。単純と思うかもしれませんが,このようなことは結構多いのです。気持ちのいい挨拶ができることで,役に立つことはあっても損をすることはまずありません。また,社会に出てからも,はきはきとした返事や受け答えができることで,色んな人が様々なチャンスを与えてみようというプラスの効果につながります。
楠隼生は,これまで地域や様々な外部の方々から,「あいさつがしっかりとできる礼儀正しい生徒たち」という評価を受けてきました。この先輩たちが築き上げてきた良き伝統を皆さんも引き継いでほしいと思います。
「時を守り,場を清め,礼を正す。」まずはこの1年,これらの当たり前のことを当たり前に実践できるように心がけて生活してください。
令和5年度も,生徒の皆さんにとって有意義な1年となるよう,私たち教職員も精一杯応援します。
今年度もどうぞよろしくお願いします。』また,この日は入寮オリエンテーション・寮生徒会オリエンテーションを行い,新入生を寮に迎え入れました。寮生徒会オリエンテーションでは高校2年生が中心となって,新入生に寮について詳しく教えていました。
2023年03月29日(水)
修了式・寮長任命式・離任式
3月24日(金),修了式・離任式・大掃除を行いました。
修了式では,中学生に修了証を授与しました。
修了式での校長式辞を紹介します。
「皆さんには,昨年1学期終業式の際に,フランスの哲学者サルトルの言葉「実存は本質に先立つ」という言葉を紹介しました。
「実際に行動することで,自分の運命が変わる,だから今日から行動してみましょう!」という内容でしたが,自分の1年を振り返ってみてどうだったでしょうか。
「机上の空論」という言葉があります。頭の中だけで,「ああだ,こうだ。」と考えるだけで,現実に合わず,役に立たないという意味です。知っていることや理解できていることと,実際に行動することでは,大きな隔たりがあります。また,やる前から「ああだこうだ」と理論やうんちくだけを語り,実際に行動していない人の言葉には説得力がありません。
結果を恐れずに,まずはやってみること。やってみたら,案外簡単だったということはよくあることです。
さらに,行動する際には,「柔軟さ」も大切な要素の一つです。物事は一定ではなく,その先には「揺らぎ」があります。つまり、この世は「一定」とか「絶対」ということはなく、不確実なことが多く存在する世界です。
「これだけ練習してきたのだから,必ず試合に勝つ。」とか,「あれだけ勉強してきたのだから,試験には絶対に合格する」など,気持ちは大事ですが,なかなか思うように行かないのも事実です
物事の結果を決めつけてかかる人は、自分の思い通りにならなければ、そこに怒りや絶望,挫折などの感情が生まれ、先に進めなくなることが多々あります。
失敗することもある,変わって当たり前,うまくいかなければその時はこうする、といった柔軟な思考力や行動力を身につけておくことが大切です。
話はループしますが,この柔軟な思考力を身につけるためには,行動すること,つまり,数多くの挑戦をし,そして多くの成功と,それに負けないぐらいの失敗をすることだと思います。
一昨日,WBCの決勝が行われ,日本はアメリカに見事勝利し,優勝しました。大会MVPは大谷選手でした。
大会中にテレビ中継のスポンサーである「セールスフォース」という会社のCMが流れていました。内容は,大谷選手が,これまで三振した数,打たれたヒット,ホームランの数など,様々な失敗してきた回数や数字が挙げられた後,「二刀流が無理だと言われた回数は数え切れない。でも二刀流をあきらめたことは一度もない。」という大谷選手の声が流れ,「失敗の数だけ,人間は成長できる」というテロップで閉められるCMでした。
この言葉のように,最後はやはりあきらめない気持ち,結果だけに一喜一憂せずに、失敗したら、次はこうしてみようと、前向きに挑戦をし続けること,昨年実施した文化祭のテーマ「七転び八起き~Never Give Up~」の精神が大切だと思います。
皆さんのこれからの長い人生,色んなことがあります。辛いこともありますが,それと同じくらい楽しく充実した出来事もあります。ですから皆さんには失敗にめげずに,小さな挑戦を積み重ねながら,大きな志の実現に向けて,これからも行動し続けてほしいと思います。
今年度も新型コロナ感染拡大防止のために,様々な制限を設けなければならない一年でした。来年度は,以前のように様々な学校行事が制限のない形で実施できるよう計画をしています。
それぞれの新学年における新たな挑戦に向けて,この休業中に心身共にリフレッシュして新学期を迎えてくれることを期待して,令和4年度修了式の言葉とします。」また,新寮長の任命式も行いました。
離任式では,楠隼創設初期から尽力された先生方を見送ることになりました。最後のメッセージは熱く,生徒の心に響いた様子でした。
生徒代表お礼の言葉
花束贈呈
校歌斉唱
楠隼中学校・高等学校で尽力された先生方の新天地での御健康と御活躍を祈念いたします。
2023年01月12日(木)
始業式・大掃除・実力考査(課題実力考査)を実施しました
1月10日(火),始業式・大掃除・実力考査を実施しました。
新型コロナウイルスの感染対策として,始業式は放送で行いました。
始業式での校長先生の講話を紹介します。
『 新年明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。
冬休みは少し長めの帰省になった人も多かったと思いますが,家ではゆっくりと過ごせたでしょうか?
いよいよ2023年,そして令和4年度3学期が始まりました。今年の干支は卯年。動物のウサギの跳ぶ姿から,「飛躍」「向上」を象徴する年になります。皆さんにはこの一年,是非,様々な分野で飛躍・向上の年にしてほしいと願っています。
学期の始めにあたり,今朝は「験を担ぐ」ということについてお話をします。
「験担ぎ」ともいうこの言葉をほとんどの皆さんが聞いたことがあると思いますが,「げん」という漢字はどんな漢字を書くでしょうか。
漢字は経験とか実験の「験」という字で,この漢字には「縁起,前兆」の意味があります。よく,「縁起がいい」とか言いますよね。
また,「験担ぎ」の言葉の由来は,いろんな説があるようですが,もともとはこの縁起を担ぐの「縁起」と言う言葉が,江戸時代に流行した逆さ言葉で「ぎえん」と呼ばれ,そこから「げん」となったという説があるようです。
験担ぎとは,例えば勝負事の前に何かをしたら良いことがあったのでそのことを続ける,具体的には「勝負事や試験の前にトンカツやカツ丼を食べる」とか,「試合で勝ち続けている間はユニフォームを洗わない」とかなどがあります。
私も結構験担ぎをする方で,例えば靴は左から履くとか,ある朝通勤で通る道を変えたらいいことがあったので,次の日からも少し遠回りでもその道を通るなどをすることがあります。
高校3年生は今週末にいよいよ大学入学共通テストを控えています。
試験でよく使われる「験担ぎ」としては,お菓子の「キットカットを食べる=きっと勝つ」や,「五角形の鉛筆を持つ=『五角』の読みを『ごうかく』にたとえて」,「机の上にタコの人形を置く=タコは英語で『オクトパス』,『置くと(試験に)パス』などがあり,他にも最近は受験生の神様にすがりたい気持ちに対して,いろんな験担ぎや縁起担ぎのグッズが販売されているようです。
正月には近くの神社などに初詣に出かけ,今年1年の健康・幸せや高校3年生は志望大学の合格祈願をした人もいると思います。
また,おみくじを引く人も多いかと思います。
私も初詣をしたらおみくじを必ず引くことにしています。そこでの私の「験担ぎ」というか,こだわりは,「大吉が出るまでおみくじを引き続ける」ということをしています。これまでに一度の初詣で引いたおみくじの最高回数は11回。ちなみに今年は2回目で大吉を引きました。
とはいえ,これらの験担ぎは全て気持ちの問題で,科学的な根拠は何もないのですが,人間,気持ちひとつでその先の行動の結果に影響を与えることはよくあることです。この話は昨年10月に実施したトップリーダー教室の飯山晄郎先生のお話にも通じるものがあります。験担ぎとか縁起とか信じない人もいるかもしれませんが,自分の中にあるルーティーンもそれに近いものがある気がします。
高校3年生の皆さんは,受験を間近に控え,焦る気持ちもあるかと思いますが,是非,自分に合った験担ぎやいつもどおりのルーティーンを行い,できるだけ平常心で試験に臨んでほしいと思います。くれぐれも日頃やらないこと,例えば試験の朝,食べたこともない験担ぎの食べ物を食べて体調を崩さないようにしてください。
さて,この3学期に当たる正月から3月までのことは,昔から「いちげつ いぬる,にげつ にげる,さんげつ 去る」と言われます。「いちげつ」とは1月のこと,「いぬる」は古語で,漢字は「往復,往来」の「往」の字を使って「いぬる」と読み,意味は過ぎ去ってしまうということ,にげつとは2月のことで,逃げるは逃げ去るの逃げる,3月は去る,過ぎ去るの去るです。また,現在は「1月は『行く』」ということもあるようです。
「1月往ぬる,2月逃げる,3月去る」。つまり1月はあっという間に過ぎ去ってしまい,2月も逃げるように過ぎ,3月もまたたく間に去ってしまう,気がつくと新年度の4月になっていたということがあります。
そうならないように,皆さんには足をしっかりと地につけて,それぞれの学年の締めくくり,今の学年の有終の美を飾ってほしいと思います。
新型コロナ感染症に対しては,鹿児島県でも先日1月5日の発表で5,200人を超える感染者数が発表され過去最高を更新するなど,細心の注意が必要な状況です。また,インフルエンザも流行期に入ったとのことです。
これから3学期には入学試験や卒業式,中学3年生は海外研修,中学2年生はフロントランナーとの出会い,高校2年生も修学旅行など,たくさんの行事を行う予定にしています。
感染症が拡大しないように,再びしばらくの間は不自由な寮生活を送ってもらうことになりますが,受験を控えた高校3年生のために,そして自分たちの有意義で楽しい学校生活のために,生徒の皆さんのご協力を是非お願いします。
3学期も心身ともに健康で,みんなでがんばりましょう!』また,2023年を気持ちよくスタートさせるために,熱心に大掃除をしました。
実力考査では,冬休み中の取り組みの是非が問われます。それぞれの手応えはどうだったでしょうか。
今年一発目のテスト,ここから2023年がスタートします。2023年も頑張ってほしいと思います。
2022年10月24日(月)
全校朝礼
10月24日(月),全校朝礼が行われました。
校長講話では,「楽」と「楽しむ」について話がありました。「楽」と「楽しむ」ことで得られるものが異なることや,仲間と試行錯誤しながら達成に向けて頑張ることが大きな力になるという内容でした。
高校3年生は大学入学共通テストに向けて,中学1年生から高校2年生までは「来たるべき日」のために,今を精一杯楽しみながら過ごしてほしいと思います。
〈校長講話 全文〉
みなさん,おはようございます。
全校生徒の皆さんにお話しするのは体育祭以来になります。今日は10月24日。あっという間に10月も終わり,2学期も半分が過ぎようとしています。さて,私は2学期始業式の時の挨拶で,「自分の目標に向けてまずは行動する」,そして「人の痛みを理解し,相手の気持ちに立って行動する」,この2点を皆さんにお願いしました。
今朝は,この「行動してみること」に関連して,「楽しむ」ということについて,少しお話をします。「楽しむ」は音楽の楽という字を使いますが,この漢字を思い浮かべてみてください。この漢字の由来は,象形文字から来ているようです。上方中央の「白」の部分が楽器の鈴を表し,両サイドの「⺓」の部分がその鈴についた糸飾りを表すのだそうです。
そしてこの楽器は,神様にお祈りをする時に使われた道具の形がはじまりで,にぎやかな音で神さまを楽しませることから,「音楽」や「たのしい」という気分を意味する漢字になったということです。一方,この漢字の別の読み方で「らく」があります。私たち人間は何かをするときにできれば「楽」をして達成したいと思うことがよくあります。「楽してお金を稼ぎたい。」,「楽して勉強ができるようになりたい。」,私だったら「楽して痩せたい。」というように。
でも,楽して何かを成し遂げたり,何かを得たりすることはなかなか難しいもので,また,そこで得られる達成感も少ないものです。
みなさんはロールプレイングゲームをしたことがありますか。私は今から30年くらい前,「ドランゴンクエスト」というゲームにのめりこんだ時期がありました。そのシリーズの中で一番印象に残っているのは「ドラクエ3」です。
レベルがなかなか上がらず,すぐにパーティーが全滅したり,町の人に1人1人話を聞いても役に立つ情報を得られなかったり,所々にあるお城やダンジョンなどのボスにやられたり・・・。また,当時のドラクエには前回の続きをするための「復活の呪文」というものがあり,ただの文字の羅列を確実に書き写しておかないとゲームの続きができなかったのですが,この記録を間違えてしまい,せっかく頑張った前回の続きができず,やり直したりと,本当に苦労しました。
そうやって試行錯誤しながら,1週間以上かけて,やっとラスボスを倒した時は感動のあまり涙がこぼれました。あの時聞いたエンディングテーマは今でも忘れません。一方,その次に出た「ドラクエ4」は,ブームにちょっと乗り遅れてしまったせいもあって,初めて攻略本を買って挑戦し,結局3日くらいであっという間にクリアできました。でも,今はその内容など全く覚えていません。
少し軽い例えだったかもしれませんが,私にとっては,いろんなことを試行錯誤しながら,失敗しても楽しく頑張れたものがドラクエ3で,一方,楽をして結果は出たけれども,達成感も記憶もほとんど残っていないのがドラクエ4ということになります。
いろんなことにも通じる気がします。部活動においては,きつい練習だけれども勝利に向かって仲間と乗り越えて頑張っているから楽しいと思えるはず。何かに一生懸命に頑張ることが大事だと思います。
ただ,勉強についてはなかなか楽しいと思えないのが普通ですので,ここは先日のトップリーダー教室の飯山先生の話を参考にして,あえて「楽しい」と口にして自らを鼓舞する方法もやってみてはどうでしょうか。
いずれにせよ,今はきつくても,頑張って頑張って頑張り抜いたものは,将来皆さんにとっていい経験や思い出,そしてそれらが皆さんの力になります。必ず成功しなければいけないということはありません。頑張って,頑張って,頑張り抜いた経験は,たとえ結果が失敗であっても,将来の皆さんにとっては大きな力になります。
高校3年生の皆さんは,共通テストまであと3か月を切って,焦る気持ちもあるかもしれません。でも,先のことを嘆いてもしょうがありません。「明けない夜はない」,「やまない雨はない」。これから長い人生には,たくさんの楽しいことが皆さんを待っています。ですから,腹を据えて,今,目の前にある課題を一つ一つクリアすることに集中して,頑張ってください。
また,中学生から高校2年生までの皆さんも「来たるべき日」のために,今は楽な方ではなく,あえて試行錯誤しながら行動する方を選び,その行く先々での人との出会いや,苦手なものとのバトルを楽しみながら生活してみてください。
これから秋が深まるにつれてだんだんと寒くなってきます。まずは健康第一。体調管理には十分気をつけて,残りの2学期を元気に過ごしましょう。
2022年08月19日(金)
新任式・2学期始業式
8月18日(木)楠隼中学校・高校の2学期が始まりました。大掃除・新任式・始業式(新任式・始業式は放送で実施)を行いました。
新任式では新しいALTの Evan Kittel 先生を紹介しました。とても穏やかで優しい先生です。
大掃除では暑い中熱心に掃除している姿が素晴らしかったです。
始業式での校長先生の式辞を紹介します。
『おはようございます。
楽しみな時間が過ぎるのは本当に早いもので,あっという間に2学期の始業式を迎えることとなりました。
おそらく,本校が,県内の公立学校で最も早く2学期をスタートする学校になっています。
夏休みはゆっくりと過ごせたでしょうか?
夏休み期間中には,中学校部活動の県大会,高校野球部の南部九州大会,高校陸上部 外園君のインターハイ出場など,うれしい出来事が多くありました。それぞれの大会に出場した皆さん,本当にお疲れ様でした。
さて,2学期の始まりに当たり,2点,皆さんにお願いしたいことを含めてお話しします。
1点目は,1学期終業式でもお話ししましたが,
皆さんには,この2学期を「初めは小さくてもよいので,一歩踏み出す,行動する2学期にしてほしい」ということです。
あれこれ考えていても始まりません。まずは動いてみましょう。
動く前は,遠く前方にモヤモヤとしていて,不安に見える景色も,実際に勇気を出して動き,近くに行ってみると,案外たいしたことはなく,むしろその場では心地よい景色に変わることがよくあるものです。
鹿児島弁のことばに「なこかい,とぼかい,なこよかひっとべ」という言葉があります。
郷中教育でよく使われる言葉ですので,聞いたことのある人は多いかと思いますが,ある困難なことを前にして,できない,無理だといって泣くのか,それともその壁を越えようと飛ぶのか,
「あれこれ考えずに,泣くよりも飛んでしまえ!」 という意味です。
野球のバッターでも同じです。バットを振らないと何も起きません。
思い切って振ってみたら,バットに当たって,ホームランが打てるかもしれません。いずれにしてもまずは「振る!」という行動を起こすことが大切なのです。
「なこよかひっとべ」の気持ちで,行動する2学期にしてください。
もう1点も,1学期の始業式と入学式でお願いしたことで,校訓にある「至誠」の具現化についてです。
校訓の「至誠」という言葉は,中国の「孟子」という古い書物の中に出てくる言葉で,「至誠にして動かざるものは,未だこれ有らざるなり」という言葉に由来しています。
どんなに賢くても,理にかなっていても,この上なく誠実でなくては人を動かすことはできないという意味です。人間一人では生きていけません。
これから様々な分野で未来のリーダーとなるべき皆さんには,「人の痛みが分かる人間,他人が喜ぶことを率先してやろうとする人間」になってほしいのです。
世界に目を移すと,ロシアによるウクライナへの武力侵攻が続いています。身近なところではいじめの問題や他人への誹謗中傷,そして私たちの学校内でも,「自分さえ良ければ良い」、「他人のことなど気にしない」というような出来事が起こっています。
「人の痛みが分かる」とは,人の立場に立って、その人にどう接すれば良いか、誠意を持って考えることだと思います。
自分の周りにいる友人,家族,先生方,寮のスタッフの方々に対して,相手の気持ちに立って行動して下さい。「自分の目標に向けて一歩行動する」,そして「人の痛みを理解し,相手の気持ちに立って行動する」
2学期はこの2点を是非お願いします。新型コロナ感染に対しては,まだまだ注意が必要な状況です。
今年こそは,約20日後にある体育祭で保護者の方々に是非観覧していただきたいと考えています。
これからしばらくの間は,再び不自由な寮生活を送ってもらうことになりますが,生徒の皆さんのご協力を是非お願いします。
2学期もがんばりましょう!』コロナ対策のため,放送による始業式になりましたが,集中して式辞を聞いている姿が印象的でした。楠隼生の2学期の活躍に期待しています。
2020年01月28日(火)
全校朝礼 校長講話
1月27日(月)に行われた全校朝礼での校長講話は以下の通りでした。
先日,大学入試センター試験が行われたが,高校3年生の諸君は最後までよく頑張った。これから志望校への出願,2次試験挑戦と大事な時期になってくるので1日1日を頑張ってほしい。また,大学入試センター試験の朝,中1から高2の諸君が,勝負に向かう先輩達を激励しながら送り出す姿には感動した。楠隼一丸となって入試を乗り越えていこう。
今日は,3学期最初で最後の全校朝礼である。1年間言い続けた日々実践してほしい3つのこと
1 学力向上。進路実現。
2 人間力向上。(自分から気持ちのいい挨拶(朝・昼・晩)・自ら仕事を見つけて, 時間いっぱい清掃へ取り組む,文武両道を目指す,読書に励む)
3 人の心の痛みの分かる人になる。相手の立場に立ってものを考える。
を実践してこれただろうか。日々実践することで自分を磨いてほしい。
最後に,進路実現の参考にしてほしいエッセイ「挑むということ」について紹介する。「夢を追うのに年齢は関係ない。カッコ悪くてもいい。見かけなど気にせず,本気になって夢に向かって挑み続けることが大事。挑まなければ発展や成長はない。」
諸君も夢を実現させるために挑み続けてほしい。なお,講話の全文はPDFで掲載します。※閲覧には保護者専用パスワードが必要です。
2020年01月08日(水)
3学期始業式 校長講話
1月8日(水)の3学期始業式で行われた校長講話の内容は以下の通りでした。
2020年がスタートした。私は1月3日に肝付町で行われた成人式に出席してきたが,高校1期生も全国から数多く集まり出席していた。新成人を代表して,1期生の先輩が「成人の主張」を行ったが,たいへんすばらしい発表だった。
今日は,一年の始めなので,年度当初から掲げている皆さんに日々実践して欲しい3つのことについて触れる。
1 学力向上。進路実現。
2 人間力向上。(自分から気持ちのいい挨拶(朝・昼・晩),自ら仕事を 見つけて時間いっぱい清掃へ取り組む,文武両道を目指す,読書に励む)
3 人の心の痛みの分かる人になる。相手の立場に立ってものを考える。
まずPDCAサイクルを実践し,しっかり「学力」を向上させよう。
次に「挨拶」をもっと活発に行ってほしい。出会う人すべてに,笑顔で自ら挨拶を行い,人間力を向上させよう。
さらにもう一つこうなってほしいという話をする。人の「品位」は,その人の行いに自ずと表れる物事を行うときの格です。品位ある人間は,予感を抱き,物事に思いを馳せながら行動することができる。それは,一朝一夕では身につかない。日常生活の中で身につけていかなければならない。
さて,高校3年生のみなさん。自ら高く険しい道を選択して冬休みも一生懸命頑張った。最後まで粘り抜いて,自分の未来を切り開いてほしい。応援している。
中学1年生から高校2年生のみなさん。日本は,本格的な人口減少,少子高齢化の進行,経済のグローバル化,技術革新の急速な進展など,社会のあらゆる面で大きな変革期を迎えている。この変化の激しい社会において,答えの無い答えを求められるような時代がくる。そのような社会では,ずっと学び続けることや何かを努力し続けることが,要求される。何かにチャレンジする,一歩前進するという積極的な気持ちで3学期を過ごしてほしい。
楠隼生には日々実践してほしい3つのこととともに,PDCAサイクルで自己の研鑽に努めてほしい。これから始まる3学期,そして今年一年が充実した日々となるように期待している。なお,講話の全文はPDFで掲載します。※閲覧には保護者専用パスワードが必要です。2019年12月24日(火)
終業式 校長講話
12月24日(火)の終業式で行われた校長講話の内容は,以下の通りでした。
2学期も中1南西諸島探訪から始まり,体育祭,中1・高1農業漁業民泊体験,中2職場体験学習,中3チャイニーズキャンプ,楠隼ウォーキング,高2海外大学企業連携研修,トップリーダー教室などさまざまな行事があった。
私は,高2海外大学企業連携研修を引率したが,UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)では,楠隼生5人に対して1人の大学生が3日間つきっきりで指導してくださった。生徒は,研修中ピアー・インストラクションやグループディスカッションを通して,英語によるプレゼンテーション力を磨き高めることができた。悪戦苦闘の研修だったが,最後は研修をやり遂げた達成感や安堵感から,生徒・大学生・教師が一体となって感動の渦に包まれた。この光景を見て,かつてアメリカの小学校で勤務していた自分を重ね合わせていた。試行錯誤の授業でうまくいかないことも多く,悪戦苦闘の日々だったが,最後は,児童全員から感謝の言葉や手紙をもらった思い出が今でも忘れられない。この研修での経験が,高2生の人生の糧となることを願ってやまない。
また,トップリーダー教室では,寺脇先生に「22世紀まで生きる皆さんが,これから学ぶべきこと,また,それを学ぶやり方」という演題で講演をしていただいたが,人生には無限の可能性があり,長い人生の中でさまざまな経験を積んで,想定外のことにも対応できるように特定の分野に偏らない学習をしていくことやこれまでの価値観を変えていくことの必要性について語っていただいた。諸君には,これからの時代を担うリーダーとして常に意識してほしい内容であった。
あと1週間もすれば,新年を迎える。1年の計は元日にあり。是非,新年の抱負を決めて家族に宣言してほしい。また,冬休みは,普段会うことのできない家族や親戚と過ごし心身のリフレッシュをしてほしい。ただ,高校3年生は,勝負の冬になるので,健康には十分に留意しながら,最後の詰めの勉強を気合いを入れてしてほしい。約2週間の冬休みだが,少し成長した皆さんと3学期会えることを楽しみにしている。なお,講話の全文はPDFで掲載します。※閲覧には保護者専用パスワードが必要です。
2019年12月03日(火)
全校朝礼 校長講話
12月2日(月)の全校朝礼で行われた校長講話の内容は,以下の通りでした。
日々実践してほしいことの1つとして,「人間力向上」を掲げている。そのことについて,今日は,仕事との向き合い方を例に挙げ「清掃の奇跡」と「見えない仕事」の2つのエッセイを紹介する。
エッセイにある「見ているから仕事を頑張るのではなく,見えているから仕事をもっと頑張るのだ。」や「見えない仕事は自ら進んで行い,見える仕事はみんなで行う。」ということを日々の生活の中で実践し,「人間力向上」に努めてほしい。なお,講話の全文はPDFで掲載します。※閲覧には保護者専用パスワードが必要です。
2019年11月18日(月)
全校朝礼 校長講話
11月18日(金)の全校朝礼で行われた校長講話の内容は以下の通りでした。
中学宇宙部のモデルロケット大会全国優勝に加え,中学陸上部の西元君が中学男子300mで県中学新記録を樹立し優勝するなど,最近,楠隼生の頑張りが結果となって現れており,たいへんうれしく思う。
南日本新聞の「ひろば」欄には,肝付町在住の方から,「大隅へ高校生の勇気ある発言」という投稿記事が掲載され,地元の期待を強く感じる。さらに,生徒だけでなく先生も頑張っておられ,美術の肥後先生が南日美展において秀作賞を受賞された。
さて,私塾「松下村塾」をつくり,後の明治維新で重要な働きをする多くの人材を育てた吉田松陰は,「夢」について次のように語っている。
夢なき者に 理想無し
理想なき者に 計画無し
計画なき者に 実行無し
実行なき者に 成功無し
故に夢なき者に 成功無し
では,「あなたの夢」は何か。自分の夢について,今一度自分に問うてみてほしい。その夢実現のために今何をしているか。これから何をしていかなければならないか。やるべきことはわかっていると思う。日々実践しよう。なお,講話の全文はPDFで掲載します。※閲覧には保護者専用パスワードが必要です。