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2022年4月

  • 2022年04月27日(水)

    楠隼人 第39回吉井淳二 記念展 高校生部門 優秀賞

    今回は,第39回吉井淳二 記念展 高校生部門で優秀賞に輝いた高校3年生の金子 元君の油絵の作品を紹介します。

    タイトル「とぶことができなくても」

    金子作品「空をとべるなら」

    Q:絵の紹介をしてください。

    A:何かしたいこと,自分の考え,信じるものがあって,でも受け入れられなくて,否定されて何度もあきらめかけた。けれども,それでもまた続ける。それは性であり,宗教であり,夢でもある。強い者や世間に負けそうになるけれども,勇気に励まされて,諦めずにただそうであり続けている。声も上げない。ただいることを許して欲しい。そんなことを思っている人を表現しました。

    Q:作成期間はどの位ですか。

    A:約5か月です。昨年の夏休みの終わり頃に書き始めて,年を越しました(笑)。自分の中でも苦痛が9割で,「早く終わって!」と何度も願っていました。

    Q:モチーフになっているのは?

    A:中央の人は同級生で,化粧をしてもらっています。地面は渡り廊下を参考に,壁はイメージで作っています。

    Q:作品制作で苦労した点はどんなことですか。

    A:顔の表情です。喜怒哀楽ではないけれども,無表情でもない。諦めたくてしょうが無いけれども,未練がある。そういう表情を目指しました。そこだけで1か月以上かかっています。リアルさと表現とを描いては直し,描いては直しを繰り返しました。正直何度も止めようと思いました(笑)。 でも頑張りました。

    Q:今後の目標は?

    正直に描きたいと思っています。自分が思ったことや感じたことを正直に描きたいです。今年は"Self Love"が年間テーマで描いていきたいので,機会があったら是非御覧ください。

  • 2022年04月22日(金)

    中学1年生の様子(4月3週目)

    今週の中学1年生の様子をお伝えします。今週も保健関係の行事が多かったですが,一つ一つの検査を真剣に受けることができました。

    来週は三岳登山が行われます。20日(水)に事前指導を行い,登山するときの注意点を担当教員から聞いていました。天気が心配されますが,実施できることを信じて思い出に残る行事にしたいと考えています。

    【学年朝礼の様子】 今週は1組の総務,副総務が司会を行いました。

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    【三岳登山事前学習の様子】

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    4月18日(月) 学年朝礼

    4月20日(水) 三岳登山事前学習,避難訓練,尿検査(~21日)

     

    中学1年生各学級の集合写真を掲載します。閲覧には保護者パスワードが必要です。

    中学1年生集合写真[PDF:592KB] 

  • 2022年04月21日(木)

    いざというときに備えて・・・

    4月20日(水)7限に地震を想定した避難訓練を行いました。

    迅速な避難を行い,避難開始から3分30秒で校庭に避難完了しました。また,実際に避難を行うことで,避難経路について考える機会にもなりました。

    避難中

    肝属地区消防組合東部消防署の方にも訓練の様子を見てもらい,講話をしていただきました。

    講話

    次回は11月9日に寮での火災を想定した避難訓練を行います。

    いざというときに備えて,防災意識を養っていきます。

  • 2022年04月20日(水)

    高校生新入生オリエンテーション

    DSC_4175先日4月8日金曜日に,高校1年生を対象に,新入生オリエンテーションを行いました。

    進路指導部,生徒指導部,寮務部等,教務部の担当の職員が,1年生に対してアドバイスを行い,高校生として,これからどのような点に注意すれば,より良い学校生活・寮生活が送れるかを説明しました。生徒たちは真剣に各部の職員の話を聞いて,心を新たにしたようです。

     

    (生徒の感想・心に残った言葉など)

     

    ・中高一貫校で受験もなく,正直高校生になるという実感がわかなかったが,今回のオリエンテーションで高校生として自律していかなければならないと改めて感じた。

     

    ・「普通科で学ぶ事はその人自身を深く知るための道具だ」という言葉が深く心に残った。

     

    ・「与えられた物事を完璧にこなせとは言わない。それをいかに順序立てて終わらせようとするのかが大切だ。」という言葉がとても響きました。

     

    ・「姑息なことをしない」「その場限りの事をしない,それは応急手当であるにすぎない」という言葉が印象に残りました。

     

    ・「君たちはあと3年で18歳」という言葉がとても心に響きました。

     

    ・「将来は使わない教科でも,頑張っていくプロセスが大事である」という言葉が印象的でした。

    ・新入生オリエンテーションを受けて,今日は本当に良い節目になりました。

     

    ・勉強の「量」だけではなく,「質」を重視して勉強しようと思った。

     

    新入生の学校生活が充実して,「楠隼高校で良かった」と思える3年間にしてほしいです。

  • 2022年04月15日(金)

    中学1年生の様子(4月1週目~2週目)

    4月7日に入学した60人の中学1年生。今週から本格的に授業が始まり,授業の受け方や勉強方法などを担当教員から聞いていました。

    また,学級では委員会や給食,清掃の当番が決まり,それぞれが自分の仕事を一生懸命行っています。今後の活躍も楽しみです!

    【授業の様子】

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    【身体計測の様子】

    身体測定6身体測定10身体測定13

    4月8日(金) 実力考査,学校生活オリエンテーション

    4月9日(土) 部活動紹介

    4月11日(月)~22日(金) 教育相談,いじめを考える週間(15日まで)

    4月12日(火) 心電図検査

    4月13日(水) 知能検査 統一学活(いじめ)

    4月14日(木) 総合的な学習の時間オリエンテーション

    4月15日(金) 身体計測

  • 2022年04月14日(木)

    いじめを考える週間(統一学活・LHR)

    4月11日(月)~15日(金)までは,いじめを考える週間です。その一環として,4月13日(水)の学活・LHRの時間に,学年ごとにテーマを設け,いじめについて理解を深めました。

    それぞれの教室では,いじめや差別,偏見がおきないようにするための考えを他人に伝えるなど,活発な意見交換が行われました。

    新しい学年学級,新しいメンバーで話し,考えを深める活動を通して,いじめ問題について改めて考える良い機会となっていたようです。

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    高校2

  • 2022年04月13日(水)

    部活動紹介が行われました

    4月9日,中高生徒会執行部が中心となって,新入生に向けて部活動紹介を行いました。

    新入生は,中高合同で活動している部や宇宙部など,楠隼独自の部活動に興味津々で話を聞いていました。

    先輩方は話し上手で,笑いありの面白い紹介が相次ぎました。

    実践や作成した映像を披露する部もあり,自然と拍手が起こる素晴らしい部活動紹介になりました。

    新入生が,部活動で充実した学校生活を送ることを願っています。

    剣道部

    剣道部

    バスケ部

    バスケ部

    音楽部

    音楽部

    美術部

    美術部

    宇宙部

    宇宙部

    弓道部

    弓道部

     

  • 2022年04月13日(水)

    中学生 新入生誓いの言葉

     

    中学校の入学式では,永田 誠さんが生徒代表誓いの言葉を力強く述べました。

    大きく三点の目標を掲げ,これから始まる6年間の学校生活・寮生活を充実させたいと決意していました。

     

     本日より、私たち第八期入学生六十名も、楠隼中学校の一員となります。そして、このようなすばらしい入学式をむかえられ、本当に感謝しています。校長先生はじめ、諸先生方、本日は入学式を開催してくださり、本当にありがとうございます。

     私は、鹿児島県鹿屋市にあります寿小学校で六年間を過ごしました、永田誠です。これから新たな生活が始まると思うと、不安な気持ちもありますが、楠隼中学校の一員として頑張っていこうと思います。 

     これから、中学校生活を送るにあたり、目標を三点掲げたいと思います。

     一点目は学習です。私は将来医師になり、戦争の被害を受けている国や、飢えに苦しむ人々を助けたいと思います。医師の資格を取るためには、中学・高校で十分な学力をつけ、試験に合格しなければいけません。そのために、全寮制という学業に集中して取り組むことのできる環境を活かして、友人と切磋琢磨し、六年間でしっかり学力をつけたいと思います。また、楠隼中学校は、イングリッシュキャンプや海外大学企業連携研修など、国際的な分野にも力を入れています。自分の医師になるという夢の、さらにその先のためにも、無駄にせず、自分の糧にしたいと思います。

     二点目は部活動です。「文武両道」という言葉があるように、勉強だけやスポーツだけなど、片方の道に偏らず両立することが大切です。部活動で集中力を身につけることで、効率よく学習できますし、自分の好きな活動をすると気持ちがリフレッシュされます。また、友情を深めたり、競い合ったり、先輩方から教えていただきながら、上達し自分のものにしていきたいと思います。

    最後に人間関係です。楠隼中学校・高等学校は全寮制、かつ男子校であるため、同じ学年だけでなく、上の学年の先輩とも、より深く、長い時間関わると思います。ですから、共に生活していく中で、考え方に違いが出て、意見が対立することもあると思います。ましてや、初めて顔を合わせる人がほとんどですから、最初ほどそうかもしれません。そのような時にも、相手の意見をしっかりと受け止めて、どうすればいいかを考えることで、今までよりもさらに仲が良くなれると思います。

     以上の三点を中心に頑張り、楠隼中学校での充実した生活を送りたいと思います。

     

    令和4年4月7日

    新入生代表  永田 誠

  • 2022年04月08日(金)

    生徒代表誓いの言葉

    入学式では高入生の竪山 陽太君が堂々と生徒代表誓いの言葉を述べました。

    高校生活での目標や将来の夢,保護者の方々への感謝の気持ち,学校職員へのメッセージなど,高校生としての新たな気持ちが込められた言葉になっていました。

    楠隼高校での学校生活・寮生活を最大限に生かして,3年後に「楠隼高校で良かった」と思える3年間にしてほしいです。

      暖かな春の訪れと共に、私たち52名は楠隼高校の一年生として入学式を迎えることが出来ました。
     本日は、私たち新入生のために入学式を開催していただきましたこと、まことにありがとうございます。

     校長先生を始め、諸先生方に、心から感謝申し上げます。ただ今校長先生からご祝辞の言葉をいただき、これからの高校生活への不安が和らぎ勇気づけられました。
     私たち新入生は、それぞれの夢や目標を実現するために、この楠隼高校に入学しました。これからの三年間を楠隼で過ごせることをとても嬉しく思います。

     私は中学校ではサッカーと勉強を両立できるように努力してきました。学校の授業が終わってすぐにサッカーの練習があり、家に帰ると夜の8時を過ぎてしまう毎日でしたが、学習ができる時間が少なかった分、必ず自宅学習の時間を確保し、また、一時間一時間の授業を大切にしたり、課題を丁寧に解いたりすることて、基本的な学力を定着させてきました。

     やっていることは、ごく普通のことかもしれませんが、「継続は力なり」という言葉があるように、当たり前のことを、毎日、丁寧に、継続して行ったことが、今の学力につながっているのだと思います。

     私には学校の教師になるという夢があります。子供と関わったり、人に教えることが好きなので、将来は小学校の教師になって、算数を分かりやすく教えたり、子供たちと一緒に体を動かしたりしたいです。

     野球界に数多くの伝説を残したイチローこと鈴木一郎選手は、「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だ」いうことをおっしゃっています。この言葉のように、私は、自分の夢にむけて小さな努力を積み重ねて、確かな学力を培っていきます。

     楠隼高校には、学校生活や寮生活を通して、自分を心身共に鍛えることができる環境が整っています。特に寮での集団生活には不安や寂しさもありますが、それ以上のメリットがあると思っています。そのひとつは、この先3年間、朝から夜まで楽しさや苦しさを共有できる仲間ができるということです。この仲間と支え合ってお互いに努力していくことが、それぞれの夢に近づくことだと思います。

     さらに、寮生活では正しい生活リズムを身につけながら、学習時間を充実させることで学力を伸ばすことができます。学校の教師になるためには、高い学力が必要ですが、私は、中学のときは休日などに時間があるとついダラダラと過ごしてしまうこともありました。高校ではこのことを改善していかなければ、夢の実現は難しいと思います。夢を実現させるために、これからの高校生活でも「小さな努力を積み重ねる」姿勢を忘れずに持ち続けていきたいと思います。

     楠隼高校は、日本全国から様々な価値観を持つ生徒が集まっており、多くの学校行事ではそれぞれの専門分野の第一線で活躍されていらっしゃる方々に会って話を聞くことができます。こうした機会を持つことで、私が教師になるために必要だと思われる、多様な価値観の理解やコミュニケーション力の向上に役立てることができると考えます。これからどんな出会いがあるのか、とても楽しみです。

     最後になりましたが私たちは、これから三年間、それぞれの目標に向かって進んで行きます。時に迷い、苦しみ、立ち止まってしまいたくなるようなこともあるでしょう。先生方、先輩方や、寮スタッフの皆様、そしてお父さんやお母さんにも、ご迷惑をおかけしてしまうこともあるかと思いますが、温かく、時には厳しくご指導いただきますよう、よろしくお願いいたします。私たち入学生一同は、自らの夢のため、また楠隼の発展のために努力していくことをここに誓います。

               令和4年4月7日 高校新入生代表  竪山 陽太

     

  • 2022年04月07日(木)

    4月6日新任式・始業式

    新任式
    新任の先生方の挨拶
    校長先生をはじめ,12人の新任の先生がそれぞれ放送で挨拶をしました。対面での実施ではないため,生徒は顔が分からなかったと思いますが,これからの授業やその他の学校行事を通して,すぐに親しくなっていくと思います。新任の先生方は楠隼に新しい風を吹き込んで,新たな楠隼の歴史を共に築いていただきたいです。

    始業式
    徳留校長が次のような式辞を在校生に行いました。

    令和4年1学期始業式 校長式辞

     今年4月から校長として赴任しました德留敏郎と申します。
     これからどうぞよろしくお願いします。

     さて,令和4年度が始まりました。
     この春休みにご家族の元に帰ってゆっくりできましたか? 新しい学年ではどんなことを頑張ろうと思って帰寮しましたか? 勉強や部活動など,それぞれが心に期する,何らかの思いをそれぞれ持っていることと思います。
     来年3月の卒業式や修了式の日にこれから始まる1年間を振り返った時,納得のいく成果を残すために,そして満足のいく自分になれるよう,今日は私から2点,皆さんに提案をします。

     1点目は,何かの選択に迷ったら,敢えて厳しく,そして難しい道を選んでみてください ということです。
    新約聖書に出てくる言葉に,「狭き門より入れ,滅びに至る門は大きく,その道は広く,これより入るものは多し。」というものがあります。また,鹿児島に古くからある言葉にも「わけうちん苦労はこてでんせえ」という言葉があります。標準語的に訳すと「若いうちの苦労はお金を払って,買ってでもやりなさい」という意味になります。
     人間誰しも楽をしたいもの です。できることなら,楽をして物事を達成したいものです。しかしながら,その道は滅びに至るのです。たとえ,きつくても来年,あるいは数年,もしかしたら数十年後の自分に必ず生きてくると信じて,あえて厳しい道を選んでみてください。
     例えば,勉強のことに関して言うと,楽して成績が上がることはありません。先生たちからは難しい宿題や厳しい言葉かけをされるかもしれません。きつくてもそれをこなしていくことこそが将来の皆さん自身の栄光につながるはずです。先生たちの指導を信じて,きつい勉強を頑張ってみてください。
     皆さんの側には,同じ志を持ち,同じ苦労や壁に立ち向かう友人がいます。どうやってその苦労から逃げるか,ではなく,友達とどうやってその苦しいことを克服するか,一緒に頑張ってください。

     2点目にお願いしたいのは,校訓にある「至誠」についてです。このことは,明日の入学式で中学,高校の新入生にもお話しします。
     みなさんもご存じのように,これは中国の古典「孟子」の中にある,「至誠にして動かざるものは,未だこれ有らざるなり」という言葉に由来しています。どんなに賢くても,理にかなっていても,この上なく誠実でなくては人を動かすことはできないという意味です。「至誠」を有する人間となるために,皆さんには「人の痛みが分かる人間,他人が喜ぶことを率先してやろうとする人間になってほしい」と思います。
     世界に目を移すと,ロシアによるウクライナへの武力侵攻,また身近なところではいじめの問題や他人への誹謗中傷など,弱者を狙った「自分さえ良ければ良い」、「他人のことなど気にしない」というような出来事が起こっています。
     「人の痛みが分かる」とは,人の立場に立って、その人にどう接すれば良いか、誠意を持って考えることです。自分の周りにいる友人,家族,先生方,寮のスタッフの方々に対して,そのような考え方で皆が生きる時、社会は優しさにあふれたものになり,皆さんの学校生活もより過ごしやすくなるはずです。それこそが校訓にある「至誠」の目指すところです。

     「狭き門より入る」,そして「人の痛みを理解し,他人が喜ぶことを率先してやる」,なかなか簡単にはいかないかもしれませんが,この2点をしっかりと頭に入れて,「来たるべき日のために」有意義な1年間を過ごしてください。

     私たち教職員一同,精一杯皆さんを応援します。
     今年1年どうぞよろしくお願いします。

     

     

  • 2022年04月07日(木)

    第8回入学式を挙行しました

    令和4年4月7日,鹿児島県立楠隼中学校・高等学校第8回入学式を挙行しました。

    新型コロナウィルス感染対策のため,参加できる保護者の人数を制限し,式次第も簡略化した上での挙行となりました。

    今年度は中学生60人,高校生52人,計112人の生徒が入学しました。

    真新しい制服に身を包み,初々しい様子の中学生や,新たな決意を胸に入学した高校生の表情は,新しい楠隼生としての自覚や希望に満ちあふれたものでした。

    中学生入場

    中学生入場

    中学生整列

    中学生整列

    中学生代表

    中学生 生徒代表誓いのことば

    高校生呼名

    高校生 新入生呼名

    高校生代表

    高校生 生徒代表誓いのことば

    校長

    校長式辞(内容は以下の通りです)

    式辞


    春の風がうららかに色とりどりの花をそよがせ、海に山に新たな生命の力を感じるこの佳き日に、鹿児島県立楠隼中学校・楠隼高等学校 第八回入学式を挙行できますことを、校長として心から感謝申し上げます。
    ただいま、入学を許可しました中学校六十名,高等学校五十二名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
    中学校に入学した六十名の皆さん,これまで約十二年間、一緒に過ごしてきたお父さんやお母さんのいるご家族の下を離れ、全寮制であるこの楠隼中学校で学ぶことを決めた皆さんの勇気と決意に,まずは敬意を表します。
    次に,楠隼中学校から高校へと歩みを進めた四十七名の皆さん。皆さんは、義務教育を終え、今日からはそれぞれの意志と強い決意を持って学ぶ覚悟を持たなくてはなりません。その覚悟を、決して妥協することなく、自らの目標に結び付けて追い求め続けてください。皆さんは楠隼四年目。この学校を知り尽くしているベテランでもあります。これまでの経験を、新しい友人や後輩たちのために活かすことにも力を貸してください。
    また,高校から新たに仲間に加わった五名の皆さん。楠隼中学校で三年間を過ごした友人関係の輪が既にできている中に飛び込み、新たな人間関係を築こうという相当な覚悟を持って入学してくれたことと思います。皆さんのその思いを私たちはしっかりと受け止めています。
    新入生の皆さんのそれぞれが、出身地はもとより、慣れ親しんできた言葉も、思い出の風景も、そして将来の夢も異なりますが、これからこの楠隼校で同じ時を過ごし、理想の自分を実現する一歩を踏み出すために、本日は本校の校訓についてお話しします。
    本校の校訓は、「大志・叡智・至誠」です。
    まず、「大志」について、皆さんの夢は何でしょうか。エンジニア、医者、起業家など、いろんな夢があると思います。夢を持つこと、つまり大きな目標を持つことは、これから先の皆さんのエネルギーとなります。今は漠然としたものであっても、途中でその夢が変わっても構いません。周りにいる友人たちと大いに夢を語り合い、そして切磋琢磨し、皆さんの人生の大きな目標をこの6年間または3年間で見据え、目標に向けた一歩を踏み出してください。
    そして、その大きな志を実現するためには、日々の努力を重ねることが必要です。校訓に掲げた「叡智」とは、「物事の本質を見て、賢く物事を判断することができる、深く優れた知恵」のことです。日頃の勉強で様々な知識を得ることはもちろん大切ですが、物事の本質を見ようとする姿勢、深く優れた知性の獲得に,是非取り組んでほしいと思います。そのために、部活動や寮生活、そしてこの肝付の地で行われている様々な地域・伝統行事にも積極的に参加するなどして、多くの経験を積んでほしいと思います。
    校訓の3つめ「至誠」についてです。これは中国の古典「孟子」の中にある、「至誠にして動かざるものは、未だこれ有らざるなり」という言葉に由来しています。どんなに賢くても、理にかなっていても、この上なく誠実でなくては人を動かすことはできない,という意味です。「至誠」を有する人間となるために、皆さんには「人の痛みが分かる人間」になってほしいと思います。世界に目を移すと、緊迫するウクライナ情勢,また,身近なところではいじめの問題や他人への誹謗中傷など、弱い者を狙った,「自分さえ良ければ良い」、「他人のことなど気にしない」というような事件をあちこちで耳にします。中国のことわざに「己の欲せざるところ人に施すことなかれ」という有名な言葉がありますが、自分がされたくないことは勿論のこととして、社会には、自分がされて許せることでも、相手にとっては許せないことが多々あります。「人の痛みが分かる」とは、人の立場に立ってその人にどう接すれば良いか、誠意を持って考えることです。そのような考え方で皆が生きる時、社会は優しさにあふれたものになるはずです。皆さん、この学校で是非そのような生き方を心がけてください。それこそが「至誠」の目指すところです。
    さて、保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。本日から六年間または三年間、皆様のお子様を本校にてお預かりいたします。家を離れ、寮で過ごすということは、ある意味,お子様たちが「親離れ」を果たすことにもなり、これまで心からの愛情を注がれた保護者の皆様にとっては寂しさも禁じえないこととは存じます。とはいえ,まだ成長期にあるお子様たちです。お子様方から、悩み相談などもあるかと思います。そのような時は、是非寄り添って悩みを聞いてあげてください。また、時には背中をそっと押してあげてください。いつかは、お子様方は自らの目標に向け,自らの足で駆け出さなくてはなりません。お子様の持つ強さを信じ、温かく見守っていただければと存じます。
    この肝付の地は、海山に囲まれた大自然と、JAXAに代表される最先端の科学とが共存する、世界でもユニークな魅力溢れる土地です。そして何よりも、この土地に住んでおられる地域の皆様のお人柄、そして教育に対する御理解は、本校のかけがえのない財産です。私たち楠隼の職員は皆様のお子様方を、この肝付の地でしっかりと教え育ててまいります。
    結びに、新入生の皆さんのこれから始まる中学・高校生活において、勉学や部活動、寮生活で互いに切磋琢磨しながら、生涯の良き友と出会い、尊敬できる人生の師に巡り会えることを願うとともに、皆さんが今日の熱い思いを忘れずに、これから有意義な学校生活を過ごされるよう心から期待し、式辞とします。
    令和四年四月七日
    鹿児島県立楠隼中学校・高等学校
    校長 德留 敏郎

    高校生退場

    高校生 退場