第8回入学式を挙行しました

公開日 2022年04月07日(Thu)

令和4年4月7日,鹿児島県立楠隼中学校・高等学校第8回入学式を挙行しました。

新型コロナウィルス感染対策のため,参加できる保護者の人数を制限し,式次第も簡略化した上での挙行となりました。

今年度は中学生60人,高校生52人,計112人の生徒が入学しました。

真新しい制服に身を包み,初々しい様子の中学生や,新たな決意を胸に入学した高校生の表情は,新しい楠隼生としての自覚や希望に満ちあふれたものでした。

中学生入場

中学生入場

中学生整列

中学生整列

中学生代表

中学生 生徒代表誓いのことば

高校生呼名

高校生 新入生呼名

高校生代表

高校生 生徒代表誓いのことば

校長

校長式辞(内容は以下の通りです)

式辞


春の風がうららかに色とりどりの花をそよがせ、海に山に新たな生命の力を感じるこの佳き日に、鹿児島県立楠隼中学校・楠隼高等学校 第八回入学式を挙行できますことを、校長として心から感謝申し上げます。
ただいま、入学を許可しました中学校六十名,高等学校五十二名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
中学校に入学した六十名の皆さん,これまで約十二年間、一緒に過ごしてきたお父さんやお母さんのいるご家族の下を離れ、全寮制であるこの楠隼中学校で学ぶことを決めた皆さんの勇気と決意に,まずは敬意を表します。
次に,楠隼中学校から高校へと歩みを進めた四十七名の皆さん。皆さんは、義務教育を終え、今日からはそれぞれの意志と強い決意を持って学ぶ覚悟を持たなくてはなりません。その覚悟を、決して妥協することなく、自らの目標に結び付けて追い求め続けてください。皆さんは楠隼四年目。この学校を知り尽くしているベテランでもあります。これまでの経験を、新しい友人や後輩たちのために活かすことにも力を貸してください。
また,高校から新たに仲間に加わった五名の皆さん。楠隼中学校で三年間を過ごした友人関係の輪が既にできている中に飛び込み、新たな人間関係を築こうという相当な覚悟を持って入学してくれたことと思います。皆さんのその思いを私たちはしっかりと受け止めています。
新入生の皆さんのそれぞれが、出身地はもとより、慣れ親しんできた言葉も、思い出の風景も、そして将来の夢も異なりますが、これからこの楠隼校で同じ時を過ごし、理想の自分を実現する一歩を踏み出すために、本日は本校の校訓についてお話しします。
本校の校訓は、「大志・叡智・至誠」です。
まず、「大志」について、皆さんの夢は何でしょうか。エンジニア、医者、起業家など、いろんな夢があると思います。夢を持つこと、つまり大きな目標を持つことは、これから先の皆さんのエネルギーとなります。今は漠然としたものであっても、途中でその夢が変わっても構いません。周りにいる友人たちと大いに夢を語り合い、そして切磋琢磨し、皆さんの人生の大きな目標をこの6年間または3年間で見据え、目標に向けた一歩を踏み出してください。
そして、その大きな志を実現するためには、日々の努力を重ねることが必要です。校訓に掲げた「叡智」とは、「物事の本質を見て、賢く物事を判断することができる、深く優れた知恵」のことです。日頃の勉強で様々な知識を得ることはもちろん大切ですが、物事の本質を見ようとする姿勢、深く優れた知性の獲得に,是非取り組んでほしいと思います。そのために、部活動や寮生活、そしてこの肝付の地で行われている様々な地域・伝統行事にも積極的に参加するなどして、多くの経験を積んでほしいと思います。
校訓の3つめ「至誠」についてです。これは中国の古典「孟子」の中にある、「至誠にして動かざるものは、未だこれ有らざるなり」という言葉に由来しています。どんなに賢くても、理にかなっていても、この上なく誠実でなくては人を動かすことはできない,という意味です。「至誠」を有する人間となるために、皆さんには「人の痛みが分かる人間」になってほしいと思います。世界に目を移すと、緊迫するウクライナ情勢,また,身近なところではいじめの問題や他人への誹謗中傷など、弱い者を狙った,「自分さえ良ければ良い」、「他人のことなど気にしない」というような事件をあちこちで耳にします。中国のことわざに「己の欲せざるところ人に施すことなかれ」という有名な言葉がありますが、自分がされたくないことは勿論のこととして、社会には、自分がされて許せることでも、相手にとっては許せないことが多々あります。「人の痛みが分かる」とは、人の立場に立ってその人にどう接すれば良いか、誠意を持って考えることです。そのような考え方で皆が生きる時、社会は優しさにあふれたものになるはずです。皆さん、この学校で是非そのような生き方を心がけてください。それこそが「至誠」の目指すところです。
さて、保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。本日から六年間または三年間、皆様のお子様を本校にてお預かりいたします。家を離れ、寮で過ごすということは、ある意味,お子様たちが「親離れ」を果たすことにもなり、これまで心からの愛情を注がれた保護者の皆様にとっては寂しさも禁じえないこととは存じます。とはいえ,まだ成長期にあるお子様たちです。お子様方から、悩み相談などもあるかと思います。そのような時は、是非寄り添って悩みを聞いてあげてください。また、時には背中をそっと押してあげてください。いつかは、お子様方は自らの目標に向け,自らの足で駆け出さなくてはなりません。お子様の持つ強さを信じ、温かく見守っていただければと存じます。
この肝付の地は、海山に囲まれた大自然と、JAXAに代表される最先端の科学とが共存する、世界でもユニークな魅力溢れる土地です。そして何よりも、この土地に住んでおられる地域の皆様のお人柄、そして教育に対する御理解は、本校のかけがえのない財産です。私たち楠隼の職員は皆様のお子様方を、この肝付の地でしっかりと教え育ててまいります。
結びに、新入生の皆さんのこれから始まる中学・高校生活において、勉学や部活動、寮生活で互いに切磋琢磨しながら、生涯の良き友と出会い、尊敬できる人生の師に巡り会えることを願うとともに、皆さんが今日の熱い思いを忘れずに、これから有意義な学校生活を過ごされるよう心から期待し、式辞とします。
令和四年四月七日
鹿児島県立楠隼中学校・高等学校
校長 德留 敏郎

高校生退場

高校生 退場