新任式
新任の先生方の挨拶
校長先生をはじめ,12人の新任の先生がそれぞれ放送で挨拶をしました。対面での実施ではないため,生徒は顔が分からなかったと思いますが,これからの授業やその他の学校行事を通して,すぐに親しくなっていくと思います。新任の先生方は楠隼に新しい風を吹き込んで,新たな楠隼の歴史を共に築いていただきたいです。
始業式
徳留校長が次のような式辞を在校生に行いました。
令和4年1学期始業式 校長式辞
今年4月から校長として赴任しました德留敏郎と申します。
これからどうぞよろしくお願いします。
さて,令和4年度が始まりました。
この春休みにご家族の元に帰ってゆっくりできましたか? 新しい学年ではどんなことを頑張ろうと思って帰寮しましたか? 勉強や部活動など,それぞれが心に期する,何らかの思いをそれぞれ持っていることと思います。
来年3月の卒業式や修了式の日にこれから始まる1年間を振り返った時,納得のいく成果を残すために,そして満足のいく自分になれるよう,今日は私から2点,皆さんに提案をします。
1点目は,何かの選択に迷ったら,敢えて厳しく,そして難しい道を選んでみてください ということです。
新約聖書に出てくる言葉に,「狭き門より入れ,滅びに至る門は大きく,その道は広く,これより入るものは多し。」というものがあります。また,鹿児島に古くからある言葉にも「わけうちん苦労はこてでんせえ」という言葉があります。標準語的に訳すと「若いうちの苦労はお金を払って,買ってでもやりなさい」という意味になります。
人間誰しも楽をしたいもの です。できることなら,楽をして物事を達成したいものです。しかしながら,その道は滅びに至るのです。たとえ,きつくても来年,あるいは数年,もしかしたら数十年後の自分に必ず生きてくると信じて,あえて厳しい道を選んでみてください。
例えば,勉強のことに関して言うと,楽して成績が上がることはありません。先生たちからは難しい宿題や厳しい言葉かけをされるかもしれません。きつくてもそれをこなしていくことこそが将来の皆さん自身の栄光につながるはずです。先生たちの指導を信じて,きつい勉強を頑張ってみてください。
皆さんの側には,同じ志を持ち,同じ苦労や壁に立ち向かう友人がいます。どうやってその苦労から逃げるか,ではなく,友達とどうやってその苦しいことを克服するか,一緒に頑張ってください。
2点目にお願いしたいのは,校訓にある「至誠」についてです。このことは,明日の入学式で中学,高校の新入生にもお話しします。
みなさんもご存じのように,これは中国の古典「孟子」の中にある,「至誠にして動かざるものは,未だこれ有らざるなり」という言葉に由来しています。どんなに賢くても,理にかなっていても,この上なく誠実でなくては人を動かすことはできないという意味です。「至誠」を有する人間となるために,皆さんには「人の痛みが分かる人間,他人が喜ぶことを率先してやろうとする人間になってほしい」と思います。
世界に目を移すと,ロシアによるウクライナへの武力侵攻,また身近なところではいじめの問題や他人への誹謗中傷など,弱者を狙った「自分さえ良ければ良い」、「他人のことなど気にしない」というような出来事が起こっています。
「人の痛みが分かる」とは,人の立場に立って、その人にどう接すれば良いか、誠意を持って考えることです。自分の周りにいる友人,家族,先生方,寮のスタッフの方々に対して,そのような考え方で皆が生きる時、社会は優しさにあふれたものになり,皆さんの学校生活もより過ごしやすくなるはずです。それこそが校訓にある「至誠」の目指すところです。
「狭き門より入る」,そして「人の痛みを理解し,他人が喜ぶことを率先してやる」,なかなか簡単にはいかないかもしれませんが,この2点をしっかりと頭に入れて,「来たるべき日のために」有意義な1年間を過ごしてください。
私たち教職員一同,精一杯皆さんを応援します。
今年1年どうぞよろしくお願いします。
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